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堅過ぎる女将さんの宿 [旅 日本]

湯の小屋温泉というひなびた温泉地に、4部屋のみのステキな温泉民宿をみつけた。

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建物の外観は普通のお宅のようだが、内部は光取りの窓や幅の広い階段など、建物の
随所に工夫が見える。
内装は民芸調に整えられ、あちこちに鉢花や素朴な切り花が飾られて感じが良い。
これで一泊二食で約1万円は、かなりコストパフォーマンスが良いと言える。


前日越後湯沢では雨でハイキングはお預けだったので、早めに宿に移動して荷物を預け、
近くを歩くことにした。

水上駅から路線バスで50分。
5分ほど歩いて宿を訪うと、女将さん慌てて名簿を確認する。
そして「まだ掃除ができていない」と、かなり困惑した表情。

「いやいや、荷物を預かっていただいて歩いてきますから。」とお願いする。


ダム見学と昼食後、ダム沿いに歩いて車両通行止めの道路から山に入り、雨のせいで
かなり荒れた山道を下って宿に戻ったのがチェックイン時間3時の10分ほど前。


手続きをする際、山を越えてきたと話したら、
「あそこは通行禁止じゃなかったですか?」
怪訝そうに尋ねる女将さん。
山と高原地の地図を見せて、「この地図のハイキング・コースですよ。」と話すと、
「あそこは工事中で、入っちゃいけないはずなんですけど・・・。」と相当訝し気な様子。

・・・・なるほど・・・。



露天風呂と小さい内湯のふたつのお風呂はどちらも源泉かけ流し。
これを4部屋の客で、フロント前の木札を操作して貸し切りで使用する。

なかなかシステマティックだけど、男女別のお風呂がないので、入りたいときに入れない
ことがあるのは仕方ないかな。
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夕食は18:00から、お客さんみんな同時スタート。

この日はラグビーW杯のフランス×イングランド戦と日本×南アフリカ戦があった日。
まさか日本が決勝トーナメントに進出するとは思っていなかったから、TVがあるか
どうか心配だったけど、幸い部屋で観戦することができた。

1点差でイングランドが劇的な勝利を収めた一試合目の終了が18:05で、女将さんが
呼びに来た。


急いで食事処の席に着いたら、皆さんお揃いで、揚げたて天ぷらが既に2品お皿に。
女将さん、天ぷらを運んで来る際、お料理の説明もしてくださる。

厨房に戻る前にお酒を頼んでおこうとすると、
「先にお料理の説明をさせていただきますか?[むかっ(怒り)]
と、軽くたしなめられる。

そうよね、そりゃそうよ。遅れて来ておいて、人が説明している時に酒のオーダーとは、
これだから酒飲みは嫌なのよ[パンチ]

「あ、すいません、はい。」と、笑ってごまかす私。

IMG_3151.jpg器も凝っています

しかし、食事スタートと同時に天ぷらとは。
前菜は置いといて、どんどん乗せられる天ぷらを温かいうちに必死に食べる。


19:00から日本戦なので、いつもより急いで食べ、飲みかけのお酒やお漬物を持って
部屋に引き上げたけど、あまり落ち着いて食事できる感じではなかった。

宿稼業って相当な肉体労働。
食事もさっさと終えてもらって、早く片付けて休みたいのも当然。

年配のご夫婦だけで営まれている民宿なので、基本セルフサービス。
なるべく運営側に負担が少ないように、紙コップやペーパータオルなど、使い捨ての
備品が使用されている。


たまに行く那須の温泉宿なんか、夜8時になっても到着しない客がざらで、それはプロの
宿だから対応できること。その分、宿代も高い。

IMG_3156.jpgお米も美味しい

翌日、美味しい朝食をいただいた後、予約していたお弁当を持って、朝から紅葉狩り
に出かける。

お昼時、包みを開くと、おにぎりは手作りのフキ味噌や佃煮が入った愛情のこもったもの
だった。たんぱく源のゆで卵に添えたお塩も山椒塩で手が込んでいる。


困惑、戸惑い、訝し気、(ちょっと)怒り、と、いろいろな表情を見せた女将さんは、
おそらく真面目過ぎる方なんだと思う。


私はふざけた人間ではありますが、割に気を遣う方だし、意外とキッチリしていて
基本マジメ(いや、見知らぬ人に笑われたり怒られたりすること、けっこうあるな。
中国奥地の夜行列車で、車掌に怒られまくったし)なんですよ。
そんな私が、宿に”硬さ”を感じたのは初めてのような気がする。


つれあいは、いつもの「関係あらへん」で、何も気にしていないけど、ふと、帰りの
路線バスで、スマホの写真を見せてくれた。

IMG_3200.jpg宿で珍しいね

堅過ぎるよね。

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