天山南路を行く [旅 外国]
カシュガルから敦煌までの行程は、すべて鉄道で行くことができますが、西から向かう
場合は、柳園という駅で下車し、そこから敦煌まで陸路で向かうと5時間くらい時間が
短縮できます。
天山南路を行く
今回の鉄道の旅は、カシュガルから柳園までの25時間。
8:46に出発し、着くのは翌日の朝10:00前です。
ハッキリ言って、スイスやニュージーランドのように山や川があり起伏にとんだ美しい
景色と言う訳ではありません。
しかし、遠くに見える天山山脈の峰々、まっ茶色のタクラマカン砂漠の間を走る列車
に乗っているというだけで、なにかしら満ち足りたものを感じるのです。
この山の向こうに天山山脈
ここに莫高窟があってもおかしくない
朝はカシュガル駅の待合室で乾燥おにぎりを食べました。
あの人たちからしたら、NASAの宇宙食か何かを食べているように見えるでしょう。
今回の旅では乾燥おにぎり3食分とカップうどん2食分、カップみそ汁を持参しており、
カップうどんは既にウルムチの空港ラウンジで食べてしまいました。
イタリアのように旨いものであふれている国なら、結局食べずに残したカップ麺を最後
に泊まったホテルのフロントの兄ちゃんにあげたりするけど、中国では日本のカップ麺
は命綱です。
中国のカップ麺は超絶不味く、中国人と仲良くなったとしても、あげるのはもちろん、
絶対交換もしてはいけません。
では、お昼ご飯にカップ麺と乾燥おにぎりをいただきます。
明日の朝食セット
ペルーで食べた時より進化している
お湯はたっぷり派
夜ご飯は食堂車と決めています。
そんなことをあーだこーだ言いながら、車窓を見てはこれからの行程を(私だけ)確認
したりしていると、楽しい時間はどんどん過ぎていきます。
午後3時くらいに、どこかの駅に泊まった後、男性がひとりコンパートメントに入って
きました。我が物顔に座席を占領していた私たちは、急いで片方に並んで座り直し挨拶
をしました。
しかし、その男性、入り口ドアの近くに腰かけたままにっこりしています。
中国人にもこんな奥ゆかしい人がいるのか?!いったいどうしたんだ!?
世界各国旅をしていて、強引に割り込んだり、写真を撮るからどけろ、と言ったり、
暴挙の限りを尽くす中国人しか知らないから、なにか理由があってその端っこに
座っているのか、と思うくらいです。
「どうぞどうぞ、コチラにお座りください」と身振りで窓際の席に促すと、にこやか
に移動して座ったおじさん。
「ここから3時間ほど行ったところのクチャに帰る」とのこと。
クチャもシルクロードの重要な街。いいな、行ってみたいな。でも通じない
ちゃんとしたビジネスマンな感じだけど、英語も分からないというし、筆談でコミュニ
ケーションするにも奥ゆかしいお人柄。
中国語本を見ながら、単語を交えて少し会話しました。
カーテンはシルクロードのモチーフ
今思えば、朝早くから仕事で疲れているから少しでも寝ようと、2~3時間の乗車だけど
寝台の切符を取ったのかもしれない。
乗ってみると、外国人が占領していたから、そうもいかなかったのでは。
そうするうちに、晩ごはん時がやってきたので、ちょっと食事に行ってまいります。と、
断って食堂車へ。なんか申し訳ないな。
愛想のいいおばちゃんが対応してくれますが、メニューらしきものはないそうなので、
ほとんどお任せ。
回鍋肉的なのと、きくらげ入り肉炒め。肉は固くてどれも塩分キツし。
まだ食べられるからと、近くに座る覆面警官みたいな人(お金を払わなかったから)が
食べているジャガイモ炒めを、あれちょうだいと追加。ご飯はひとつで結構です。
しかしこの米はどうにかならんか?
食事を終え、コンパートメントにいるおじさんに、今食べてきたものやカシュガルで
食べたもの(名物乳製品)の写真を見せる。
美味しいけどいかんせん甘すぎ
窓の外はだんだん暗くなって、列車はクチャに到着。
もう二度と会うことのないおじさんと握手をしてお別れです。
銀座のデパ地下で大阪の同級生とバッタリ会うのとはわけが違います。
人工的なキラキラする街を通り過ぎたり、たまに駅に止まるけど、外が暗くなってしまう
ともう寝るしかありません。
細いベッドに普通のシングルサイズの綿のお布団がモタモタかさばるけど、いつものよう
に気持ちよく眠れました。
ときどき停車したり、長く止まっていたり、また動きだしたり、不思議とそれも心地よい。
翌朝5:30くらいにスピーカーから割と盛大に音楽が鳴って起きました。
つれあいの朝一番の仕事は、水汲みならぬポットへお湯汲みです。
今回の旅のつれあいの担当は、洗濯、荷物持ちにポットへのお湯汲みという、シンデレラ
も真っ青な原始的業務のみですが他にできることがないので仕方ありません。
ポットのお湯で乾燥おにぎり(40分かかる)とお味噌汁の朝ごはんをいただきました。
到着するまでまだ3時間もあっても、車窓を見ながらあっという間に時間が過ぎる。
もっと乗っていてもいいな。いや、さすがにシャワーもないので25時間くらいが限界
かな。10時間くらいじゃ短すぎる。などと、今回の列車旅を振り返ります。
なんと、この列車は成都行き。カシュガルからは57時間の道のりで、私たちが降りてから
まだ30時間も走り続ける。
25時間でも乗務員は一回交代しましたから、管理区内で乗務員が変わるのでしょう。
成都もいつか行きたい
丸一日を列車移動に費やし、目的地の柳園駅に着きました。
さて、3つ目の関門が待っています。
場合は、柳園という駅で下車し、そこから敦煌まで陸路で向かうと5時間くらい時間が
短縮できます。
天山南路を行く
今回の鉄道の旅は、カシュガルから柳園までの25時間。
8:46に出発し、着くのは翌日の朝10:00前です。
ハッキリ言って、スイスやニュージーランドのように山や川があり起伏にとんだ美しい
景色と言う訳ではありません。
しかし、遠くに見える天山山脈の峰々、まっ茶色のタクラマカン砂漠の間を走る列車
に乗っているというだけで、なにかしら満ち足りたものを感じるのです。
この山の向こうに天山山脈
ここに莫高窟があってもおかしくない
朝はカシュガル駅の待合室で乾燥おにぎりを食べました。
あの人たちからしたら、NASAの宇宙食か何かを食べているように見えるでしょう。
今回の旅では乾燥おにぎり3食分とカップうどん2食分、カップみそ汁を持参しており、
カップうどんは既にウルムチの空港ラウンジで食べてしまいました。
イタリアのように旨いものであふれている国なら、結局食べずに残したカップ麺を最後
に泊まったホテルのフロントの兄ちゃんにあげたりするけど、中国では日本のカップ麺
は命綱です。
中国のカップ麺は超絶不味く、中国人と仲良くなったとしても、あげるのはもちろん、
絶対交換もしてはいけません。
では、お昼ご飯にカップ麺と乾燥おにぎりをいただきます。
明日の朝食セット
ペルーで食べた時より進化している
お湯はたっぷり派
夜ご飯は食堂車と決めています。
そんなことをあーだこーだ言いながら、車窓を見てはこれからの行程を(私だけ)確認
したりしていると、楽しい時間はどんどん過ぎていきます。
午後3時くらいに、どこかの駅に泊まった後、男性がひとりコンパートメントに入って
きました。我が物顔に座席を占領していた私たちは、急いで片方に並んで座り直し挨拶
をしました。
しかし、その男性、入り口ドアの近くに腰かけたままにっこりしています。
中国人にもこんな奥ゆかしい人がいるのか?!いったいどうしたんだ!?
世界各国旅をしていて、強引に割り込んだり、写真を撮るからどけろ、と言ったり、
暴挙の限りを尽くす中国人しか知らないから、なにか理由があってその端っこに
座っているのか、と思うくらいです。
「どうぞどうぞ、コチラにお座りください」と身振りで窓際の席に促すと、にこやか
に移動して座ったおじさん。
「ここから3時間ほど行ったところのクチャに帰る」とのこと。
クチャもシルクロードの重要な街。いいな、行ってみたいな。でも通じない
ちゃんとしたビジネスマンな感じだけど、英語も分からないというし、筆談でコミュニ
ケーションするにも奥ゆかしいお人柄。
中国語本を見ながら、単語を交えて少し会話しました。
カーテンはシルクロードのモチーフ
今思えば、朝早くから仕事で疲れているから少しでも寝ようと、2~3時間の乗車だけど
寝台の切符を取ったのかもしれない。
乗ってみると、外国人が占領していたから、そうもいかなかったのでは。
そうするうちに、晩ごはん時がやってきたので、ちょっと食事に行ってまいります。と、
断って食堂車へ。なんか申し訳ないな。
愛想のいいおばちゃんが対応してくれますが、メニューらしきものはないそうなので、
ほとんどお任せ。
回鍋肉的なのと、きくらげ入り肉炒め。肉は固くてどれも塩分キツし。
まだ食べられるからと、近くに座る覆面警官みたいな人(お金を払わなかったから)が
食べているジャガイモ炒めを、あれちょうだいと追加。ご飯はひとつで結構です。
しかしこの米はどうにかならんか?
食事を終え、コンパートメントにいるおじさんに、今食べてきたものやカシュガルで
食べたもの(名物乳製品)の写真を見せる。
美味しいけどいかんせん甘すぎ
窓の外はだんだん暗くなって、列車はクチャに到着。
もう二度と会うことのないおじさんと握手をしてお別れです。
銀座のデパ地下で大阪の同級生とバッタリ会うのとはわけが違います。
人工的なキラキラする街を通り過ぎたり、たまに駅に止まるけど、外が暗くなってしまう
ともう寝るしかありません。
細いベッドに普通のシングルサイズの綿のお布団がモタモタかさばるけど、いつものよう
に気持ちよく眠れました。
ときどき停車したり、長く止まっていたり、また動きだしたり、不思議とそれも心地よい。
翌朝5:30くらいにスピーカーから割と盛大に音楽が鳴って起きました。
つれあいの朝一番の仕事は、水汲みならぬポットへお湯汲みです。
今回の旅のつれあいの担当は、洗濯、荷物持ちにポットへのお湯汲みという、シンデレラ
も真っ青な原始的業務のみですが他にできることがないので仕方ありません。
ポットのお湯で乾燥おにぎり(40分かかる)とお味噌汁の朝ごはんをいただきました。
到着するまでまだ3時間もあっても、車窓を見ながらあっという間に時間が過ぎる。
もっと乗っていてもいいな。いや、さすがにシャワーもないので25時間くらいが限界
かな。10時間くらいじゃ短すぎる。などと、今回の列車旅を振り返ります。
なんと、この列車は成都行き。カシュガルからは57時間の道のりで、私たちが降りてから
まだ30時間も走り続ける。
25時間でも乗務員は一回交代しましたから、管理区内で乗務員が変わるのでしょう。
成都もいつか行きたい
丸一日を列車移動に費やし、目的地の柳園駅に着きました。
さて、3つ目の関門が待っています。
車窓が絵画みたい。
駅も車内も、なんだかノスタルジック。
砂埃っぽい色が、そういう風に見せるのかな。
物語のようなローカル旅ですね、とっても素敵〜☆
食堂車のお食事が微妙すぎるけど・・・。(苦笑)
時間軸がずれたような、ちょっと不思議な旅に見えます。
by knacke (2019-06-26 14:04)
乾燥おにぎり、ってあるんですね!
どんなお味でしょうか?
by MERRY (2019-06-26 17:46)
ビアンカさんのこのブログのタイトル、「車窓が好き」!
それがよーくわかる記事だった気がします~
25時間って最大限なのかとおもいきや!さらに30時間とは。
大陸っていえるだけありますねー
なんだか、寝台車乗りたくなりました。まだ走ってるのって、出雲くらい?
じゃがいもの炒めたもの、かなり千切りが繊細でびっくり。
お金払わないところまでチェックしてるっていう、ビアンカさんもスゴイ。
乗り合わせた、おじさん、なんか、いい人。
旅の味わいって、こういう地元の人とのふれ合いなんですよねー
by nicolas (2019-06-28 15:10)
>ありささん、nice!ありがとうございます!
by ビアンカ (2019-06-28 23:07)
>knackeさん、そんな美しい風景ではないんですけど、鉄道の旅は
至福の時。
それゆえ自分の置かれてる状況に酔っちゃうというか(*´Д`)。
食堂車は、そもそもかなり割高だから、覆面刑事か、一品を分け分け
して倹しく食べるカップルとか、お食事する人も少ないんです。
今思えば、シャワーがあればもう1日乗りたかった。
nice!&コメント、ありがとうございます(^^♪
by ビアンカ (2019-06-28 23:26)
>MERRYさん、乾燥おにぎりは、若干水分の多い普通のおにぎりです。
厳しい海外旅行の折にしか食べる機会がなく、うまくコツを覚えるほど
(一個300円くらいしますので)じゃないのです。
nice!&コメント、ありがとうございます(=゚ω゚)ノ
by ビアンカ (2019-06-28 23:30)
>nicoちゃん、成都まで57時間乗り通しても、頭は少々かゆくなりそう
ですが、中国のコアな部分に差し掛かって、きっと楽しいと思います。
日本の寝台列車は高すぎるんですよね。だから無くなるんだね。
カシュガル⇒柳園は軟臥で25時間ひとり12000円ほどだったかな?
中国人の知り合いは「高い!」と驚いていましたが。
覆面刑事が立ち去るまでの、一挙手一投足を見ていたのは、食べている
おかずに目がくぎ付けだったからです(*´Д`)。
あと、目が厳しかったのね。当局の人間ならではの。
nice!&コメント、ありがとうございます♪
by ビアンカ (2019-06-28 23:40)
ご、57時間。果てしない。
でも、お風呂があれば、いける!か?
by SAMEDI (2019-07-18 13:40)
>SAMEDIさん、お風呂なんかありますかいな(。-`ω-)。
お風呂があっても、見知らぬ中国人と密室で57時間は辛いかもね。
それなら軟臥の方がいいかも。
nice!&コメント、ありがとうございます(^^♪
by ビアンカ (2019-07-19 11:53)
>いっぷくさん、nice!ありがとうございます!
by ビアンカ (2019-07-19 11:54)