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母のいない母の日 [家族]

少々問題があっても、仲の良かったウチの家族が、両親の老いにつれて、ここのところ
あまりいい状態ではなくなってきていたんです。

ひとり遠くに住んで、だんだん幸せでなくなっていく家族を見るのは、悲しく忍びなかった。


私の両親というのは、ただでさえややこしいのに、歳とともにご近所と小さなトラブルを
おこしたり、おかしなことをやらかしたり、同居する姉家族とも折り合いが悪くなって
きていました。
でも、姉はメンタルの強い人なので、覚悟の上で同居でした。



両親はふたりとも、相手をおもんぱかるということができない人。

母はわざわざ癇に障ることを言って、父を怒らせ、父は母を怒鳴りつけるという、
そんな毎日を過ごすうちに、反発しながらやり過ごしていた母が、とうとう弱って
きました。

別れて自立して生きるという術を持たず、相談できる友達もおらず、体裁を気にする
人だったから、耐えて一緒に暮らしていくしかなかったんだね。



健康管理なんてまったく気にせず、タバコ、酒を飲み、運動はゼロ、好きなもの
しか食べない父親。大腸にガンがあるのを早く見つけて治療したことはありますが、
太りもせず、70代後半まで元気にやってきたのは、若いうち運動をたくさんする人
だったからでしょう。
でも、さすがに生活習慣、食生活の悪さから、言語や視覚の感覚がおかしくなって
きたことをきっかけに、入院治療しました。
担当医や病院が気に入らないと転院を繰り返し、治療の途中で勝手に帰ってきたりと、
みんなあきれながら、もうダメなのかな、なんて思っていたんです。

どうにかして一定の治療を終えた父は、担当医も驚くほど脳の血管の状態が改善
しました。具合の悪いところが元に戻り、早速ウォーキングを始め、食欲モリモリ。



その後、少しずつ元気のなくなっていた母親が、いよいよ食事ができなくなって、
入院しました。
精神科に行くよう勧めていましたが、大きな病院に入院したので、総合的に診て
もらえるだろうと少し安心したものの、父と離れれば少し良くなり、大丈夫だと
思ったのか、2週間ほどして退院しました。
好きなものが何一つない無味乾燥な病室に、耐えられなかったのだと思います。


戻って少しして、母は死んでしまいました。



私が思うに、父親がこのまま死んでしまうと期待していたのに、すっかりよくなり
また家に戻ってきたために、ガックリきたのです。


母がそう思うのは、罪ではないと思います。



絶望って、死んでしまうほどなんですね。

どうしてあげることもできなかったけど、解放された母は微笑んでいました。

IMG_1945.JPGずっと前に手配したお花が届いたそうです

みなさま、ご心配おかけしました。
すっかり落ち着き、元気になりました。また、お気楽ブログ始めます!
コメント(8) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 8

tano

今年の母の日は特別な思いでしたね・・
そして、ビアンカさんが「すっかり落ち着き、元気に」とのこと、
よかったです。
そして御苦労されたお母様が「微笑んで」いかれたことも。
夏のシチリア、とっても暑いけど(笑)、ぜひ。
また旅日記楽しみにしています。

by tano (2015-05-11 00:07) 

nicolas

ビアンカさん、いろいろ心配の種持っていたんですね・・・
夫婦って様々なカタチがあるので、何とも言えないけど、
娘が常に想っていたというコトは紛れもない事実。
それだけでも、私は救われると思いたいです。
by nicolas (2015-05-11 16:00) 

ビアンカ

>tanoさん、長い間心が空っぽになってしまう人もいるというのに、
すっかり元気になりました(´Д⊂ヽ
私のお気楽なブログを、元気な時の母はいつも見てくれていました。
そういえば、シチリアに行くことは話していなかったなあ。
夏のシチリア、やっぱり!暑い?暑いですよね!?
向こうで飲むワイン、楽しみで仕方ありません(*´з`)
難民が押し寄せて、ちょっと心配ですが・・・。
コメント、ありがとうございました☆
by ビアンカ (2015-05-11 17:46) 

ビアンカ

>nicoちゃん、落ち着いた頃、ちょうど骨董市に行きたくなって、桐生天満宮
はどうかなと思ったら、時すでに遅し(>_<)。月イチなんだね~。
結局東京都内では小規模なものしかなく、だらだらと過ごしていたら、
nicoちゃんの調布の骨董市記事を拝見し、く~、これまた出遅れ( ;∀;)

母とは、東寺の弘法市に何度か行きました。
待ち合わせに遅れているのに、まず、入口にいるお坊さんにお布施を
して、念仏を唱えてもらっていた母。
そして、次は売り切れちゃうので切り餅を買う。
やっぱりエキセントリックな人でした~。
そんな母の死をきっかけに、家族がもとに戻りつつあります!
コメント、ありがとうございました§^。^§
by ビアンカ (2015-05-11 18:03) 

MERRY

ビアンカさんのご両親って、素敵で和やかに過ごしているんだろうなあ、と想像していたんですが・・・。
やっぱり、生きていると、いろいろあるんですね。
どこかで骨董市があるって見かけたような・・・。
by MERRY (2015-05-12 16:43) 

ビアンカ

>MERRYさん、近所ではそういう風に見られていたと思います。
本人たちも、私が思うほど不幸ではなかったかもしれません。
やっぱり、精神的にも身体的にも健康で歳をとりたいものです。
骨董市、毎週どこかでやっています。
ちょっと違うところに行ってみたいんですよね~。
nice!&コメント、ありがとうございます!
by ビアンカ (2015-05-14 12:57) 

ふゆん

おちついてきたのよかった!

うちの父と母も仲悪かったけど
なんかみてるとお互いさまなかわいそうな
もっと今を楽しんで欲しいよーな
そんな感じがしたとき親の背中がちんまくみえた
父が死ぬ間際に仲よくなったみたいだけど
遅いしもったいないなあ2人ともって思った
素直に生きたいなと思ったー!

by ふゆん (2015-05-15 10:13) 

ビアンカ

>ふゆんちゃんも、お父様を亡くしてるんだね。
そうなんだよ。お互い様なんだよね。
父は、ある意味、ひとりで平穏な生活を過ごせるようになったのかも。
昔の人は自由に生きられなかったという不運もあります。
相性や価値観の相違なんて当たり前の夫婦が、50年以上も一緒にいる
なんて、考えられない。
素直に生きられる時代でよかった。
ふゆんちゃんの自由な写真が物語ってるよ(´▽`*)!
by ビアンカ (2015-05-15 17:18) 

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