SSブログ

催涙ガスをおみまいされる [旅 外国]

いろいろなガイドブックに、リマの旧市街(セントロ)は、とても危険。空港の周りは
とんでもなく恐ろしい、と書かれていました。
メインストリートは、数年前までは、地元っ子も震え上がる(ガイドブックより)
エリアだったそう。
企業や大使館は新市街(ミラ・フローレス地区など)に移ってしまい、観光客の利用
するホテルも、その地域がほとんど。ちなみに、新市街は、夜も安心して歩けるとの
ことです。
でも、ここのところ、セントロの治安も安定し、街にはツーリストポリスが配置されて
います。
綺麗なショッピング・センターや歴史のない街並みは面白くない。やっぱりセントロの
方に行こうと決めていました。

クスコからリマに着き、空港で荷物を預け、グリーン・タクシー(優良タクシー:
定額約1600円)に乗って30分くらいの、セントロへ向かいます。黒塗りのトヨタに
スーツの運転手です。

2013ペルー 372.jpgアルマス広場

市庁舎のある、アルマス広場がセントロの中心。ペルーのメイン広場は、どこも
全部アルマス広場。クスコもプーノも。ドイツのマルクトプラッツみたなものですね。

2013ペルー 382.jpg木と石の組み合わせが美しい。↓このバルコニーが特徴
2013ペルー 377.jpg

2013ペルー 374.jpg2013ペルー 385.jpg
街はきれい。治安が悪いという雰囲気はなく、人々の顔もおだやか。

ガイドブックには、セントロについて脅かすようなことしか書いていない上、情報
すら少ない。なので、まずは、ミラバスと言う二階建てバスに乗って、さくっと安全
に、高みの見物をしようと決めていました。
しかし、何だか様子がおかしい。アルマス広場につながる、つまり市庁舎に向かう
道がすべてバリケードされているんです。徐々に警官の姿も増えてきました。
一度何気に外に出たら、今度入るのが大変!地元の人もワーワー言って、通り抜け
ようとするけど、問答無用に警官に払いのけられています。ミラバス乗り場は、
バリケードの内側。
14:00出発のバスに乗りたいのに。・・・・・待てよ、よく考えたら、そんな
厳戒態勢の中、二階建て観光バスを走らせるはずがありません。でも、近くに
行かなければ。少し人の少ないバリケードへ行き、警官にパスポートを見せると
通してもらえました。
この時点で、なぜ、こんなことになっているのかは、まだ分かりません。何かの
パレード?

2013ペルー 389.jpg2013ペルー 388.jpg

まず、インフォメーションセンターへ行ったら、14:00まで昼休み。スタバで
時間をつぶして、再度14:00過ぎに訪問しても、中には人はいますが、開けよう
とはしません。そう、ここは南米。
諦めかけたとき、14:00を15分ほど過ぎて開きました。

英語が喋れるということで、太ったお兄ちゃんが登場し、リマのお勧めスポットを、
まくしたてます。ミラバスのことをまず聞きましたが、乗り場、所要時間、出発
場所など、ことごとくチラシの内容と違い、私の方が詳しいレベルです。つまり
テキトーなんです。
その他お勧めポイントを聞いている間、???って顔をしてた私たちに、

兄ちゃん「あなたたち、英語理解できるの?」(女言葉訳なのは、雰囲気がちょっとカマっぽいから)
私たち「まあちょっと・・・。」(あんたの巻き舌が聞き取りにくいねん)
兄ちゃん「スペイン語は?」
私たち「ノー。」
兄ちゃん「はぁ~!?マジー?!もう、かんべんしてよ~!話になんないじゃない~~~! まあいいわ。それでね○△×□・・・・・ペラペラペラペラ・・・・・」

兄ちゃんのイチオシは、ここから歩いて40分(遠いよ)の、ライトアップされる
噴水だそう。

兄ちゃん「もう、すっごくおススメ[黒ハート]!めちゃくちゃキレイなのよ!ファンタスティックっよッ!」
兄ちゃん「ところで、あなたたち、何人?」
私たち「日本人。」
兄ちゃん「にほ~~~ん[exclamation×2]日本、大好き!ラブリーッ[黒ハート]
私たち「ギャハハハ。なんやそれ~!ほんまかいなー。変な兄ちゃん~(日本語)」

そんな噴水のライトアップなどには1ミクロンも興味がないので、お土産物を
探しに、市場に行くことにしました。困った時のメルカト頼みです。
市場まで、アルマス広場を通り抜けて、まっすぐ。しかし、私たちが行こうと
している方で、なんだかワイワイやってます。そのうち、なんだか、目が
しょぼしょぼしてきました。
向こうから、ハンカチで顔を押えた人々がこっちに向かってきます。
鼻水も何故か出てきました。へんな臭い。え?

「アカン!逃げよう!!!」

いつになく、つれあいが私の手を取って、逃げようと言います。ピンチの時に
何もしないつれあいがこんなときだけ反応するなんて、生命の危機を感じたの
でしょう。
向こうの通りを、装甲車みたいなのが横切りました。市場の手前です。あーあ、
また市場もダメか~。どないなっとんねん~。ていうか、口のまわりがヒリヒリ
する~。
結局、市庁舎めがけて、過激なデモ隊がやってくるというので、バリケードを
していた、そのデモ隊めがけて、催涙ガスを撒いた、という感じです。それを
風下で浴びた私たち。
最後のリマでも、いい感じでトラブルに巻き込まれています。

2013ペルー 394.jpg南米は高い場所が貧しいエリア

もう、ええわ。早めの夕食を食べて、空港に戻ろう。
食べたかった、リマ名物、セビーチェ(シーフードのマリネ)をやっといただけ
ます。
結局、ツーリスト・レストランで、気持ち悪いセビーチェを食べてしまいました。
ペルー料理は、総体的にマイルドで美味しかったですが、旅自体がてんやわんやで、
残念ながら食まで気がまわらなかった感じです。

2013ペルー 398.jpgお腹を壊さなかっただけマシか

通常、あちこちにいるツーリストポリスが、空港までのタクシーを拾ってくれ、
値段もちゃんと交渉してくれるとのことですが、厳戒態勢なので、ツーリスト
じゃなくて、マジのポリスしかいません。
仕方なく、タクシー乗り場の車に乗り、衝突寸前の意地の張り合い、めちゃくちゃ
な運転(ほんとに接触するかと思った)で、どっと汗をかき、空港施設の外の
大通りに降ろされ(決められたタクシーしか空港の中に入れない)、とぼとぼ
歩いて、やっと空港にたどり着きました。

預けた荷物を引き取り、”ああ、やっと帰れるのね。”と、かなり早く空港に戻った
ので、ひとまず腰をおろします。”やれやれ”、とはこのことです。

しばらくして、チェックインしようとカウンターに行くと、
「あなたたちのヒューストン行きの飛行機は、5時間遅れています。」

二人顔を見合わせて、えええええ~~~ッ!
係の人は、私たちのペルーでの顛末を知らないので、日本人にしては、ラテン級のリアクションに
驚いたかもしれません。

もう、最後の最後まで、盛りだくさん杉です。
しかし、係の人は、1時間50分前に出発するニューヨーク行きの飛行機に乗れる
と言います。
そして、それに乗ると、日本に同日35分早く着けるとのこと。
「ほんと?同日?同日に着くのね!?」

早く空港に着いていたからよかったけど、ぎりぎりなら、ニューヨーク行きも、
満席で乗れなかっただろうし、危ない所でした。少々遠回り(3000マイルほど)で
はありますが、最後の危機は、回避できたのです。

リマを出発して、ニューアーク空港に着きました。
滑走路の向こうに、うっすらと摩天楼の影が見えました。いつか、ゆっくり
ニューヨークもいいな。

2013ペルー 411.jpg2013ペルー 410.jpg
ニューヨークと言えば、ベーグル。写真はパサパサのベーグル。

日本行きの飛行機に乗り込むと、当然ながら、ほとんどが日本人。
うっすらと秩序という名の空気が漂っています。
ちなみに、リマ発の飛行機にも、けっこう日本人は乗っていましたが(多分私たち
のような振替組)、飛行機の床で寝る人(ペルー人)を生まれて初めて見ました。

そういうわけで、私たちのペルー旅行は終わりました。
後悔はありません。
チチカカ湖も行ったような気すら、しています。
まあ、南米はこういうところでしょう。ペルーはまだまだマシな域だと思います。
ビギナー向けです。なんだか、もう一回リフレッシュメントに、南イタリアあたり
へ行きたいです。

長々と、記事を読んでくださって、ありがとうございました!
nice!(5)  コメント(5) 
共通テーマ:旅行

nice! 5

コメント 5

nicolas

うううう!ビアンカさんー、南米すげー!(;ω;。)
私は、心臓のスペア無しでは行けないかもしれません。
ていうか、もしスペアあっても二度死ぬほどバクバクしそうです!
もし、かい潜れても待ちに待ったセビーチェ、喉を通らないかも・・・
以前、モロッコ行ったときの記事を思い出してました。
あのへんも結構緩いけど、そんなのまだまだでしたね。

しかし、飛行機の床で寝てもCAさん放っておくんですかー?びっくり!
うはは!でも、「秩序という名の空気」ウケましたがな~
なんかわかりますー!
ともあれ、改めて生還おめでとうございます!
by nicolas (2013-07-25 21:04) 

ビアンカ

>nicoちゃん、長々と読んでくださってありがとうございます!
セビーチェは、とても美味しいと評判なのですが、かなりリスクをはらんだ
危険な食べ物でもあり、ペルー旅行中大変なことになったというエピソード
も聞きます。しかし、私たちは旅行中、奈良天川村陀羅尼介丸を毎日30粒
×3回服用して、最後のトリに持ってきて食したという、危機管理(ここだけ?)
をもってしても、なんだ?デカイ白身魚の切り身の酸っぱすぎるマリネ?
てな具合に、失敗してしまいました。

飛行機内では、カートさえ通れれば、足元に寝ていてもOKのようです。
CAは、「脚が出てるわ。」と、押し込んでいました。もちろん、南米線限定です。
旅行中、スィーツは、唯一、リマのセントロで、2ソーレスのチュロス
(おそらく1本600キロカロリー)を食べました(爆)!
by ビアンカ (2013-07-25 22:37) 

ビアンカ

>ほーりーさん、nice!ありがとうございます!
長いの読んでくださって、恐れ入ります♪
by ビアンカ (2013-08-05 20:42) 

ビアンカ

>hamaさん、nice!ありがとうございます☆
by ビアンカ (2013-08-05 20:43) 

ビアンカ

>MERRYさん、nice!ありがとうございます!
by ビアンカ (2013-08-05 20:44) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。